「今までホントありがとう。いろいろよくしてくれてありがとう。」
「そっか。んじゃ。」
これが僕と山本さんがかわした最後の会話。
山本さんは配送の変更などがあり、僕の会社に配送に来ることはなくなった。
僕の精神状態はというと、スッキリしている。
「どうせ、強がりだろ?リョウタは山本さんのこと好きだったんだろ?」
好きだったと思う。
でも、好きって感情が邪魔だったんだ。
仕事中に好きって感情があるだけで、山本さんと二人っきりになりたい欲にかられる。
そうなると、山本さんがうちの会社に配送に来るたびに、他の誰かがいた場合、すごくイライラする。
男であろうと女であろうと、山本さんと僕は二人っきりで話をしたいから、いつもムカついていた。
そんな自分が嫌だったんだ。
仕事に対してプロ意識が欠けている。
感情的になっている。
これがなくなると思うと、ホッとする。
余計な感情がなくなる。
仕事に集中ができる。
隙がなくなる。
良いこと尽くしだ。
ただ、僕の身近で好きな人がいなくなるだけの話。
そんなの大した問題じゃないもんね。
11月の井戸沢さんとの10周年が終わった段階で、一生一人で生きる覚悟を決めたのだから。
そこに山本さんとの別れが来るなんて思っていなかったけど。
運命ってそんなもんなんだろう。
僕はよりストイックになる。
自分を追い込む。
追い込んだ先に見える世界に行きたいんだ。
今、やりたいことは、真・女神転生Ⅴをクリアすること。
The Energy Worldを書きたいこと。
あっ。
パッと頭に浮かんだのはそれだけ。
やべ。
僕ってホントオタク。

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