僕はあと一ヶ月くらいしたら北海道に旅立つ。
北海道を目的ごとに巡り、最終的には知床に行く。
知床に一番近い空港が女満別空港。
女満別空港から知床方面のバスが出ていることがわかった。
その高速バスに乗って、知床に行くことにした。
知床に行くことは夏に決めていた。
僕は決めたと同時に飛行機と宿を押さえてしまう。
交通手段は、後からなんとでもなると思っていたからだ。
女満別空港から、目的の知床の宿まで約100km。
石垣島をレンタカーで駆け巡った僕は、レンタカーで行ってやると当初は思っていた。
調べてみると、冬の北海道を不慣れたものが運転すると、死ぬかもしれないことがわかった。
野生動物も出るし、ブラックアイスバーンと言われる凍りついた道路がどうしようもなく危険なようだ。
僕は死を悟った。
母親にこのことを話すと、
「あんた。バカじゃない?」
だから、安全圏を確保するために高速バスが無難なのだ。
先日、高速バスの時刻を調べてみた。
僕が女満別空港に着く時間は夕方だ。
女満別空港から出ている知床方面の高速バスは、昼過ぎに終わっていた。
高速バスがダメだったら電車だ。
女満別空港の近くに駅がある。
そこまで、タクシーで行く。
電車は確かに夕方でも出ている。
知床斜里まで。
知床斜里という駅から僕が泊まるホテルまで30〜40km。
ここからも遅い時間になるので、高速バスは出ていない。
知床斜里からウトロ温泉まで、タクシーで行くしかない。
タクシー代を計算すると、10000〜20000円。
僕は今までタクシーにそこまで高額な支払いをしたことがない。
命には変えられないけど。
あんまり僕がバカなので、この話を人にした。
「だったら、飛行機の時間をズラすとか、高速バスが出ている時間に合わせるとかすればいいんじゃない?」
それが正解だ。
だけど、僕はキャンセルっという言葉が嫌いなのだ。
一度決めたことは、道を作って切り抜けたいという願望がある。
母親に言うと、
「あんた、ホントに馬鹿じゃない?」
って二回言われそうだ。
考えなしに決めた僕が悪いこと。
それに宿や飛行機を極力キャンセルしたくないんだ。
コロナで行けない旅行がたくさんあって、キャンセルしまくったから。
だから、今回のタクシー代は僕の勉強代なんだ。
それだけの高額なタクシーを乗って、僕は学ばないわけがない。
色々きこーと。
タクシーの運転手に。
そのタクシーの運転手が男前だったら。
僕の頭の中は相当おめでたいかもしれない。

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