第十九エナジー「恐竜祭」

恐竜祭が開催されるのは明日。

竜牙一行は惑星ダイナソーで一泊することになった。

さことまよは、惑星ダイナソーの統治者である恐竜人間のマクロ「アルデランス」の城、スイートルームで宿泊することに。

竜牙、良太、愛、加賀美、長谷は街の宿屋で泊まることになった。

「宿屋ってゲームみたい。なんかテンション上がる。」

「竜牙はホントガキだな~。俺はさこ様たちのスイートに泊まりたかった。」

「ちょっと扱いが酷いわよね。明日の試合(?)では恐竜どもに後悔させてやるんだから。」

「愛ちゃん。ほどほどにしようね。私、みんなの傷は治すけど、死んじゃったらどうしようもないからね。」

「死なない程度に頑張ろう。みんな。てかほとんどガキンチョばっかりだけど。」

「長谷先輩。どうでもいいけど、私から半径2mは近づかないでください。存在が不潔です。」

「まだ医術エナジーの授業のこと根に持ってんの?鈴中は困った女だな。」

街にある宿屋は恐竜たちが泊まるようの宿。

竜牙たちにとって、ドアもイスもベッドも巨人が暮らすような造り。

竜牙、良太、長谷は同じ部屋で宿泊。

愛と加賀美が同じ部屋。

夜になって、就寝時間になっても愛と良太はなかなか寝付けないよう。

竜牙は、みんなが寝静まったのを見計らって、ソッと外に出た。

「俺、今、わかったんだけど、アバター状態の俺って、睡眠とかできないみたい。消えることはできるけど、消えたらこの星にどうやって行けるかわからない。だから、この一晩を使って明日の戦略を立てようと思う。」

そうなのだ。

アバターの竜牙には睡眠不要。

呼吸も必要ない。

疲れることもない。

体全体を破壊されるまで活動することができる。

恐竜たちとのバトルが繰り広げられる今大会では圧倒的に竜牙が有利。

竜牙は問題ない。

問題なのは、良太、愛、加賀美、長谷だ。

良太や愛は負けるイメージやピンチになっていることしかない。

いくら夏休みに修行したからといって、圧倒的に勝つイメージが湧かない。

そんな愛に入学戦闘ですぐに敗北した加賀美。

愛の「ヴュックジャガ」(電撃)で一発KOされた加賀美。

加賀美が今大会で活躍する可能性はない。

長谷は下ネタのイメージしかない。

期待できない。

ただのギャグ要因。

みんなが寝静まった後に、竜牙は作戦を立てている。

勝敗は明らかか…。

翌日の朝、大きな音と共に竜牙一行は目覚めた。

ドンドン!!

「朝からなんだよ。うるせーな。」

「朝は弱いのよ~。この音は何?」

窓から外をみると、たくさん花火が打ち上げられていた。

「朝から花火なんて、気合入ってるわね。」

「朝だから花火見にくいじゃん。ちょっとは考えろよな。恐竜ども。」

「ん?竜牙がいない。あいつ。アバターだから消えちまったのか?」

すると、竜牙が空から飛んできて、窓から良太と長谷のいる部屋に入ってきた。

「ごめんごめん。ちょっと修行してた。恐竜たち強いのかな?どう思う?良太。」

「竜牙。おまえ、明らかに恐竜たちともいい勝負すると思うぜ。それなのにまた修行かよ。勉強もそれくらい熱心だったら、俺や愛くらい勉強できたと思うぜ。」

恐竜祭。

5年に一度開催される惑星「ダイナソー」の大イベントの一つ。

一部の恐竜のエナジープラン(エナジー使い)たちは、肉体とエナジーを鍛錬している。

この恐竜祭では、惑星ダイナソーのミクロ(マクロではない者)の頂点を決める戦い。

他の惑星のミクロやマクロと交流がない、惑星ダイナソーとマクロである恐竜人間のアルデランス。

過去に行った恐竜祭で恐竜以外を参加させたことがなかったのだ。

今回、地球人を参加させることに恐竜たちは。

「はあ?人間?俺たちの先祖がいたっていう地球の?どうでもいい。」

「ああ。興味がない。食っちまえばいいんじゃね?」

「二足歩行の人間タイプだろ?力も弱そー。エナジーもしょぼそ~。」

「地球人の人間が参加したって、どうせ今回もティラノサウルスの誰かが優勝だろう。」

と様々な意見が出ている。

肯定的な意見は少ない。

恐竜祭は街の外れで行われる。

恐竜の星らしく巨大な闘技場が用意されている。

闘技場の大きさは東京ドームくらい。

二つの闘技場の舞台が用意されている。

AブロックとBブロックと分かれているようだ。

「バカでかい闘技場だな~。さすが恐竜の星だ。」

「開会式みたいなもの、始まるみたいだぜ。行こう、竜牙。」

Aブロックの舞台に大会出場者でありそうな恐竜たちがゾロゾロ並んでいる。

並び方がわからない竜牙たちだが、なんとなく並んだ。

体の小さい人間である竜牙たちは恐竜にジロジロ見られている。

「なんだよ。文句あるのか。」

「お前らが例の人間か。弱そうだな。ぜひ、恐竜祭で当たりたいぜ。」

「俺は、食いてー。人間ってうまいのかな~?」

「絶対まずいって。全然、肉がなさそうだぜ。」

恐竜たちが挑発してくる。

最初は熱くなっていた竜牙だったが。

「竜牙気にすんな。あんなやつら、大したことないぜ。」

「ん?そうだな。何も思わない。弱いやつの言葉って俺ん耳入らないもん。」

「竜牙。あんた『エナジーマッパトイ』(エナジー量測定)できないのに、なんで相手の強さがわかるのよ。」

「そんなんなんとなくわかるだろ?あんまそういう測定とか頼らない方がいいと思うぜ。感覚でいこう。感覚で。」

「ちょっと長谷。ホント唯竜牙ムカつくわ。エナジープラン同士の戦いで『エナジーマッパトイ』は必須よ?それを愛ちゃんにあんな言い方して。ホント恐竜に食い殺されて欲しいわ。」

「いや~。無理だろ。唯竜牙はアバターって分身みたいな能力使ってんだから、この竜牙が死んだって死なないって。それに竜牙はてんでガキだけど、そんなに悪い奴には思えないんだよな~。」

竜牙と半日共に過ごした長谷は、竜牙に対する印象が変わりつつあった。

「何よ。長谷の裏切り者!!」

シーン。

ざわざわしていた会場が静まり返った。

闘技場の上の高い台から、恐竜人間の「アルデランス」が出てきた。

「皆の衆、ご機嫌よう。今宵は天候が良い。気温も130度まで上がるようだ。だが、暑い方が皆、やる気が出るであろう。恐竜は燃えるような熱い闘志をもってこその種族だ。エナジープランとして、余を楽しませてくれるよう心から願う。」

「うおーーーーーーーーー!!!!!!!!」

「ガウガウガウガウ!!!!!!!!」

恐竜たちは雄叫びを上げた。

「うるせーな。」

「この星のマクロの激励だもんな。当然だろ。でも負けねー。」

「今回は審判として、余を生み出そう。」

アルデランスのエナジーが高まり始めた。

ズオッ。

「なんだ。すごい濃厚で圧縮されたエナジーだ。」

「愛ちゃんダメ。『マッパトイ』でエナジー測定してはダメ。頭がやられるわよ?」

「加賀美先輩~。ちょっと測定しちゃったから頭痛いです。」

「もう。困った愛ちゃんね。」

アルデランスのエナジーの色が変色し始めた。

「青色!!綺麗なエナジーだな。」

「あれがマクロが使える『ブルーエナジー』。強すぎるエナジーが空気中との摩擦によりエナジーの色が変色するという。」

「ふふ。余は命を創り出す。『ジンダッケ』(生命創造)!!」

アルデランスの手にエナジーが集中され、小さい人型の形が浮かび上がってきた。

徐々に顔と体がハッキリしていき、顔はアルデランスそっくりだった。

アルデランスの身長は180cmくらいだが、そのアルデランスは100cmほど。

格好も良く見ると、タキシードのような格好で、マイクも持っている。

「『クンド・ジンダッケ』(分身)。私の分身に審判をさせよう。前回の恐竜祭では審判の恐竜が戦いに巻き込まれて死んだので、私がやるのが確実だ。」

「そういうわけだ。俺が審判するからお前ら覚悟しとけよ!!」

同じアルデランスだが、審判のアルデランスはキャラが違うようだ。

「例年通り、優勝者には『ダイナストーン』(恐竜宝石)を授ける。使うのもよし、売るのもよし。優勝者のみにその権利が与えられる。恐竜祭の大会のルールは、相手の体の一部をもぎ取り、高々と空にかざせば勝利とする。相手を殺したり、食べたり、粉微塵にしてしまった場合も勝利とする。相手の首をかざすのがベスト。だが、生き残ることも重要。また5年後の恐竜祭に出場できるから。」

「ちょっと待って。負ける方法ってもっとないの?こんなんじゃ殺されるに決まっているじゃない。」

「あっ。言い忘れた。髪の毛とか毛をもぎ取ったからってダメだぞ。毛は勝利にはならない。簡単な部分で言えば、ツノや牙が簡単にもぎ取れやすいな。」

「人間の私たちにそんな大きなツノなんかないし、残酷な結末しかないわよ~。」

「私の医術エナジーでも失った箇所を治すことはできないわ。どうしたらいいのよ。」

「女はガタガタうるせーな。勝ちゃーいんだろ。」

「ホント竜牙ムカつく。あんたの本体なんかどうせ家でゴロゴロしているくせに。」

「これは腹を括るしかないな。」

「とりあえず、やるしかないか。」

「じゃあ早速一回戦始めるぞ。Aブロックで『唯竜牙』対ブラキオサウルスの『メルセ』。集まれ。それ以外のものは控室にいろ。呼ぶまで待機しとけ。Bブロックは…。」

「いきなり俺か。楽しみだな。」

「竜牙。心配全然してないけど、がんばれ。」

「おう。」

良太たちは控室に向かった。

他の恐竜たちも控室に行った。

「良太と弱いミクロ以外と戦うのは久しぶりだな。さて、なんの技から使おうかな。」

竜牙は戦うのが楽しみでエナジーパワーが膨れ上がっていた。

つづく。


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