第十八エナジー「惑星ダイナソー」

ビュン。

さこの空間移動術でさこ、まよ、竜牙、良太、愛、長谷、加賀美がどこかに着いた。

「えっ。ジャングル!?」

そこは見たこともないような植物が生えており、ジャングルのようにモジャモジャした植物でいっぱいだった。

「はっ。それより!!ここおかしい。俺のシールドがいつもと違う。鈴中!!中西(良太)!!加賀美!!シールドを安定して纏わせろ!!この場所、重力、気温、酸素、何もかも違うぞ!!」

「もう。長谷はうるさい。愛ちゃんも良太くんもちゃんとできてるわよ。私もびっくりしたけど、ウガンドロン(シールド高速移動術)ができるくらいシールド操作が上手だから大丈夫よ。」

「加賀美先輩。長谷先輩。私は大丈夫。全然シールド余裕です。重力は地球の三分の一ほど重いですね。気温も100度。生身じゃイヤです。酸素はこの植物があるところは地球より濃厚ですね。さこ様。どこかの星に移動されたんですね?」

「ああそうだ。竜牙が恐竜みたいって言ってたから。」

「なんだよ。他の星のことだったのか。変だと思ったんだ。地球には恐竜なんかいないし。」

「は?おまえまだわかってないのか?竜牙。」

「ん?俺、なんか変なこと言ったっけ?」

「ちょっと愛ちゃん。」

「何ですか?加賀美先輩。」

「(ヒソヒソ)唯竜牙はシールド使っていないみたいなのに、どうしてこの重力と気温にケロッとしているのよ?ホントに化け物なの?」

「なんか馬鹿みたいなので、戦いの時しかシールド使わないみたいです。今もエナジー垂れ流し状態ですし、ホント馬鹿です。あいつ。」

「キモ。死ね。」

「ん?加賀美って高校生の女。やけに俺のこと見てきやがる。」

「竜牙。とりあえず加賀美先輩からは離れとこうぜ。」

良太がジャングルの草むらをかき分けようとしたとき、

「ギャアギャアギャアギャア」

数百匹のプテラノドンが竜牙たちの上空に現れた。

プテラノドン。

白亜紀後期に生息していた翼竜の一種。

恐竜で代表される空飛ぶ恐竜。

体の大きさは翼を広げて7~8m。

地球に住む生き物たちから見れば、巨大な鳥だと言えるだろう。

「侵入者だ!!殺せ!!ギャアギャアギャアギャア!!」

「く、来るぞ!!」

プテラノドン数百匹が竜牙たちのいる地上のジャングルまで、急降下してきた。

ドン!!

その瞬間、さこのエナジーがレインボーに輝きだし、空高くエナジーが上昇していった。

「さこだ。おまえら、星もろとも死にたいのか?」

すると、どデカい声がジャングル中に響いた。

「おまえたち、おやめなさい。その方々は、さこ様とまよ様、侵入者ではありません。お客様です。丁重にもてなしなさい。私のいるお城まで案内なさい。」

「なんだなんだ。でかい声だな~。」

さこのエナジーは消えた。

「バカが。」

さこのエナジーを目の当たりにした加賀美と長谷は驚きを隠せない。

「マクロのエナジーがすごいのはわかっていたつもりだけど、ヤバすぎるわ。なんなの。あのレインボーのエナジー。エナジーはエナジーの強さによって変色するって習ったけど、あんな発色の仕方あり得ないわ。」

「俺もそう思う。マクロのエナジーは青色って聞いていたのにそんなレベルじゃなかった。さこ様って何者だ?中西も鈴中もどれほど強大な方達かわかって付き合っているのか?」

「子どもはいいわね。何もわかっていなくて。早く唯竜牙の正体教えてあげたいのに、高等部以下は戒厳令出てるし。ホント困ったものね。」

「おい。高校生の兄ちゃん、姉ちゃん。このプテラノドンに乗るんだって。早くしろよ。みんな乗ってるだし。」

「ホント口の聞き方を知らないガキ。絶対に殺すわ。近々。」

プテラノドンに乗って、さっきの声の主が住んでいる城に向かうことになった竜牙たち。

ビューン。

「自分で空を飛ぶのも楽しいけど、プテラノドンいいな。俺、飼いたい。」

「あんたバカじゃないの?プテラノドン地球に持って帰ったら大変なことになる決まってるじゃない。そんなこともわからないの?ホントバカじゃない。」

「まあまあ竜牙のこといちいち真に受けていたら、ストレスたまるぜ。愛。」

「私、気持ち悪いわ。この爬虫類。みんなよく平然と乗れるわね。乗りごごち最低だし。」

「ガキはラグジュアリーな体験したことないからわかんねーんだろうな。俺もラグジュアリーな体験のほうがいい。」

「なんかにんげんたち。うるさい。まよちゃんがめだってない。」

「まよ。あんなやつらほっとけ。そのうち地獄見るから。」

一行はプテラノドンに乗って、ジャングルを抜けた。

すると、壮大な草原に入り、次第に大きな建造物が見えてきた。

「なあなあプテラノドン。俺たちあのデカい建物の中に行くのか?」

「ギャアギャア。気安く話しかけるな。人間。さこ様とまよ様は客人だと承ったが、おまえらのことは知らん。」

「なんだよ~。ケチ~。すんなり乗せてくれたくせに~。」

竜牙は草原を見ていると、たくさんの恐竜たちがいることに気づいた。

「あっ。トリケラトプス。ブラキオサウルス!!ティラノサウルスもいる!!テンション上がるな!!」

野生の恐竜がたくさんいる。

群れで暮らしているようだ。

だけど、今、竜牙たちを運んでいるプテラノドンは少し違う。

体にアクセサリーを身につけていたりする。

服みたいなのを羽織っているプテラノドンもいる。

野生の恐竜とこのプテラノドンたちは違うのか?

と竜牙は思った。

大きな建造物に近づくにつれ、全貌が明らかになってきた。

木造でできた巨大な城だということ。

マンションで言えば、タワーマンションのように縦に長い造りだ。

城の周りには街がある。

木造でできた住宅街が広がっていた。

どれも大きな家ばかり。

市場などもあるようだ。

竜牙たちは城の前で下ろしてもらった。

「プテラノドンありがとな。また乗せてくれよな。」

「誰がおまえなんか。ギャアギャア。」

そう言って、プテラノドンたちは空高く飛んでいった。

「なんか目を疑う光景ね。」

「そうだな。恐竜も2パターンあるのかな?」

街の中では、恐竜が暮らしているようだ。

家がデカいのは恐竜の体が大きいから。

市場では恐竜たちがお店を開いている。

食料品店らしきお店では、恐竜の丸焼きが売ってあるので、愛たちは不思議に思った。

「おまえら、城に入るぞ。この星のマクロに会うんだろ?」

「さこたち以外のマクロに会うのは初めてだな。強いのかな~?」

「竜牙戦う気なのか?まあ勝手にやれ。お前が恐竜絶滅したっていうからここまで連れてきてやったのに。ここのマクロにちゃんと聞けよ。」

「えっ。なんか関係してるの?うわ。気になる。」

さこはそれ以上何も言わず、城の中に入った。

前時代的なエレベーターがあり、竜牙たち一行はそエレベーターに乗った。

「木造のエレベーターってなんなのよ。私のウガンドロン(シールド高速移動術)の信用できるし速いんだけど。」

「こういうのは業に従えってやつじゃねーか。」

「竜牙。たまに大人っぽいこと言うよな。いつもはてんでガキなのに。」

「(ボソッ)唯竜牙のくせに生意気よ。」

竜牙一行はゆっくり走る木造エレベーターで最上階に着いた。

最上階には小型の恐竜がゾロゾロいた。

恐竜なのに、武装しており、ヤリのような武器を持っている。

竜牙たちを警戒している様子がうかがえる。

怪しい動きをしたら、問答無用と攻撃してくるような雰囲気だ。

「やれるもんならやってみろよ。俺、全然負ける気しねーもん。」

「竜牙。黙りなさい。そんなの私も同じよ。トカゲたちなんか負けないわ。」

「俺もだ。だてに夏休み、勉強と修行と授業をしてきたわけじゃない。実戦なんか望むところだ。」

「もう。小学生ってなんでこう負けず嫌いなのかしら。どう思う。長谷?」

「ガキだとしか言いようがない。脳が単細胞すぎる。」

小型の恐竜が、

「黙りなさい。『惑星ダイナソー』の統治者『アルデランス』様の御前です。」

玉座には、恐竜のような緑色の風貌、人間のような二足歩行の生物が座っていた。

その生物の服は、王様らしくマントをして金色の鎧をつけている。

「ん?恐竜のような風貌で、人間みたいな二足歩行。もしかして、『ディノサウロイド』!!恐竜図鑑で見たことあるもん!!」

「何を言っているの?竜牙。私にもわかるように言いなさい。」

「恐竜人間のことだよ。聞いたことあるだろ?恐竜人間。恐竜が地球で生き続けていたら、人間のような恐竜人間が誕生していたかもしれないって。この星にいたんだ。」

「なるほど。私のことをご存知とは驚きました。その通りです。私の種族は『ディノサウロイド』。あなたのいう通り、恐竜人間です。昔は、ここにいる警護竜と同じ種族の恐竜でしたが、私は自力で人間タイプへと変化させました。もともと私はマクロとして誕生しているので、なんでもできたのですが…。」

「あんたマクロなのか?さこより強いの?」

「ご挨拶が遅れました。さこ様、まよ様。アルデランスです。」

恐竜人間のアルデランスはさことまよに大きくお辞儀をした。

「挨拶が遅いし、もてなしがなっとらん。すぐ来てやったのに。」

「さこ様。申し訳ございません。ですが、明日は恐竜祭です。さこ様とまよ様に楽しんで頂けるよう尽力致します。」

「そうか。明日か。楽しみだな。コイツらもそれに参加させてくれるか?」

「もちろん構いません。ところでこの人間たちはどちらからいらっしゃったんでしょうか?」

「地球だ。懐かしいだろ。」

「なんと。地球人ですか。私が去ってからの。」

「あんた。地球と関係あんの?どゆこと?」

「私は元々、太陽系で生まれたマクロ。今から数億年前は地球の統治者として恐竜を従えていたのです。アレが来るまでは。」

「数億年前。歳が数億歳ってこと?すげージジイだ。アレって隕石のこと?隕石で恐竜が絶滅したって習ったから。」

「なるほど。そういうことになっているのですね。地球では。実際は違います。人型のブラックホールの仕業です。」

「ブラックホールってなんでも吸い込むやつ?」

「はい。そうです。通常ブラックホールは恒星が寿命を迎え、大爆発した後に発生することが多いです。しかし、地球にやってきた人型のブラックホールは意思を持つブラックホールでした。」

「そのブラックホールと戦ったのか?」

「はい。私と私の直属恐竜戦士たちと戦いました。エナジー攻撃、エナジーパワー、エナジーマジック全て吸収する能力を有していました。相手に爆発的な攻撃力があったわけではなかったのですが、こちらもなす術がなく、仕方なく別の星に行く選択を迫られたのです。私直属の恐竜戦士が、人型ブラックホールのおとりになりました。その隙に私と生き残った恐竜たちは別の星に移動したのです。だから、ここにいる恐竜たちの先祖は地球生まれだということです。親近感が持てましたでしょうか?」

「へー。そんなことがあったんだ。人型ブラックホールは倒せたの?」

「いえ、倒せてないと思います。倒せていたとすれば、私直属の恐竜戦士たちが死ぬこともなかったでしょうから。」

「そっか。それは悲しいことだな。でもこの星の恐竜たちでもその戦士ってやつがいるんだろ?」

「私はその出来事があってから、私自ら兵を鍛えるのをやめたんです。私が鍛えた部下が死ぬのを見たくないんです。ここの恐竜たちには自由にさせています。鍛えるもの、そうではないもの、多種多様に生活させています。」

「そうなんだ。でも、ちょっとわかるかも。なんか恐竜たちからすごいエナジー全然感じないもん。」

「私が鍛えてないと言っても、あなたたちよりは強いと思いますよ?明日の恐竜祭。あなたは絶対に参加してください。」

「なんか大会的な感じなんだな。よっし。いいぜ。俺たちみんな参加してやるぜ。地球人の戦い見せてやろうぜ!!」

「あんた何勝手に決めてるのよ。」

「恐竜と戦うってこと?大丈夫かな~?」

「えっ。私も出なきゃいけないの?そんなバトルタイプじゃないのよ。私。」

「俺もデカい相手と戦ったことないんだけど。俺の技効くかな~。」

竜牙たちと恐竜たちのバトルが始まる。

優勝するのは竜牙たちなのか。

それとも…。

つづく。


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