第十五エナジー 「医術エナジー」

入学戦闘から一週間後。

エナジー部隊初等部、中等部、高等部は週末だけ授業が行われる。

祝日がある場合は、授業が行われることもある。

生徒たちは、通常の学校教育を受けているからだ。

平日の学校終わりに、横須賀の基地に行くには時間がかかりすぎる。

主に関東在中の生徒が、横須賀のエナジー部隊に入隊する。

西日本には、広島にエナジー部隊がある。

関西圏に住んでいる生徒は、広島に行く。

それでも北海道や沖縄などに遠方に住んでいるエナジープランたちは、エナジー部隊の入学を諦める。

そして独学でエナジーを学ぶ。

各都道府県の役所には、エナジープラン専用の窓口がある。

地方に住んでいるエナジープランは、そこでエナジーについて軽く学ぶようだ。

そして、鈴中愛。

エナジー部隊高等部の授業開始時間は6時。

公共交通機関で横須賀まで移動するのは困難だ。

自力でたどり着くのみ。

愛は、今日もウガンドロン(シールド高速移動術)で町田から飛行で高等部に向かう。

ちょっと授業までの時間が危なかったのか、教室の窓から登校した。

「もう。愛ちゃん。ダメじゃない。ちゃんと校庭から入ってきなさい。」

「おはようございます。七瀬先輩。ごめんなさい。今日は10分寝坊しちゃって。」

「愛ちゃんったら。将来有望なエナジー部隊のエリート生がそんなこと言ってちゃダメでしょ。岡田先生にバレたら大変よ。」

すると、教壇にはすでに岡田先生が立っていた。

「誰にバレたら大変なのかしら?うふ。みんなおはよ。」

岡田先生は今日も胸元が見えるようなセクシーな格好をしている。

男子生徒たちは岡田先生に釘付けである。

「今日の岡田先生やべ~。俺、絶対授業集中できねー。」

「俺もだ。足がやべー。筋肉すごいはずなのに、なんであんな細くていやらしい足してんだ~。」

他の女子生徒たちは。

「ホント男ってそればっかり。どうせ私たちはまだ子どもよ。世間的には若いわ。若いって最強なのよ。わかんないのかしら。馬鹿な男ども。」

「もう。先輩。やめてください。そしたら12歳の私がこの中で最強になってしまいますぅ~。」

「愛ちゃん。調子に乗らない。前の入学戦闘みたいにボコボコにしちゃうわよ。」

コツン。

七瀬は愛を軽く殴った。

「ごめんなさいですわ。」

「はいはい。みんなおしゃべりはそこまで。最初の授業は選択授業のエナジー研究と医術エナジーよ。」

「じゃあ私は早速、エナジー研究の方に。」

愛はエナジー研究の授業に向かおうとしていた。

岡田先生が、

「愛ちゃん。ダメじゃない。医術エナジーは高等部の必須よ?男も女も関係ないのよ。」

「わかってるんですけど、竜牙がむかつくんですもの。」

「あんなの早く殺していいから。地球のゴミ。いや宇宙のゴミ。あんな下等なミクロのいうことを信じない。聞かない。いいとこ?大事なことよ。」

「そうよ。愛ちゃんはあくまで唯竜牙の監視。あんまり関わらない方がいいわよ。先週、初めてみたけどホントに頭悪そうだったもんね。」

「全然、イケメンじゃないしね。子どもだからってわかるわ。大きくなっても大した顔にならないわよ。」

「それわかる~。ちょーウケるんですけど。」

「医術エナジーは座学も緻密なエナジー操作もどっちも大変。でも使えるようにならないと、生きていけないわよ。この世界では。」

「わかりました。」

「うふ。わかればいいのよ。それに医術エナジーは私が担当だから、この教室でできるわ。移動しなくていいでしょ?今日は女子、愛ちゃんだけだけどね。」

「わ。男くさい。」

「鈴中~。おまえガキのクセに言うよな~。それにしても前の入学戦闘は面白かった。」

「何言ってるんですか。私は古谷先輩の書いていた台本通りにやっただけですよ?」

「鈴中。俺は気づいてるぞ。俺の書いていたセリフでは、パイセンなんか書いてなかった。あんな丁寧な喋り方ではなかったし、わざとだろ?」

「古谷先輩。私、なんのことかわかりませんわ。おほほほ。」

「おまえがそういう喋り方をするときは、何か企んでいるときだということがわかった。」

「もうっ。男子たち。愛ばかりに話しかけてどういうこと~?この私がいるのよ?」

岡田先生は、胸元のボタンを一つ外して、さらに胸を強調させた。

ボイン。

すると、男子たちはそればかりに目がいく。

授業にならない。

「も~。こんなんで大丈夫なのかしら。やっぱりエナジー研究に行きたかったわ。」

「はあ~。さっきから愛といい、男子たちといい授業に集中できていないわね。それだったらいいわ。実技に変えましょう。長谷いらっしゃい。」

長谷は以前の入学戦闘で、愛のエナジーを10秒間無効化した男子生徒だ。

「ななななんですか。岡田先生。」

「うふ。わかるわ。長谷が一番興奮してることを。」

「何言ってるんですか。俺は!!」

「すごいわ。たくさん男性ホルモンが出てる。感知能力出してなくてもそれくらいわかるわ。長谷。ぬ・い・で。」

「無理です。今、大変なんです!!」

「わかってるわよ。それくらい。でもそんなこと知ったことじゃないわ。だって、体の授業なんですもの。」

岡田先生は、右手にエナジーパワーを集中させ、手刀で長谷の制服を全て切り払った。

ズバズバズバ!!!

「岡田先生!!いけない!!」

長谷はスッポンポンになった。

下着も全て切り払われた。

「長谷。大きくなってるわね。」

「岡田先生!!見ないでください!!」

必死に股間を隠す長谷。

「もう嫌だ~。こんな授業~。」

「愛ちゃん。こんなことで目を逸らしちゃダメ。これが人間の男の体よ。ちゃんと目に焼き付けておきなさい。なんで性器が大きくなったかお分かり?」

「そんなの分かりません。長谷先輩がスケベだからじゃないんですか?」

「愛ちゃん。違うの。私なの。私の大人の女の魅力に性的興奮をしたの。だから長谷の男性器は大きくなったのよ。」

「もう。俺の体で遊ばないで~。」

「あら?余計にかたくなってるわよ。長谷。」

「キャッ。」

「ちょっと性教育が入りすぎちゃったかしら。じゃあこっからが本番よ。」

ズバッ。

ブシュー。

岡田先生はさっきのように、手刀で長谷の体、首から下を裂いた。

血が教室中を弾け飛ぶ。

心臓や肺、内臓や様々な臓物が視認できるほど深い切り口だ。

「うぎゃー!!!!!」

「あら。痛覚遮断するの忘れていたわ。『ダード・ニッケルダ』(痛覚遮断)!!と『イラージ』(自己治癒力強化)」

岡田先生は、長谷の体の痛みを感じなくさせ、溢れ出る血を止め、生命を維持できる状態にした。

だが、体は首から下裂けたままになっている。

「さあみんなこれでホントに体の授業よ。はい。愛ちゃん。これはどこ?」

「心臓ですか?グロい。」

「ブー。左肺でした。ちゃんとみなきゃ大変よ?実戦でたくさん負傷者出るんだから、こんなグロさでビビっていたらダメよ。」

わかってるわよ。

岡田先生。

私には医術エナジーは必須。

これからの戦いに必ず必要になってくる。

良太と危険な任務をこなすとき、私が医術エナジーを使えないと良太の命に関わる。

だけど、私は自分だけの必殺技を作りたいの。

強力な攻撃技と特殊能力が必要なの。

だから、エナジー研究をもっとしたいの。

そのために飛び級してまで高等部にやってきたのよ。

医術エナジーやっている場合じゃないのよ。

私の「ヴュックジャガ」(電撃)と「ポール・ゲング」(攻防一体のエナジー玉)だけじゃ足りない。

もっともっとエナジーの技を作りたいのよ。

そうしなきゃ、竜牙に勝てない。

私、あいつにだけは負けたくないのよ。

あいつがどんどん強くなっていくのがわかるのよ。

こうしている間にもあいつは反則級に強くなっていく。

そのためにも、私には度肝を抜くような必殺技を身につける必要がある。

見てなさい!!

竜牙!!

夏休み中にあんたを絶対に追い越すわ。

圧倒的な壁を見せてやるんだから!!

つづく。


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