第十四エナジー「入学戦闘」

「愛が倒したのは、高校生のババア3人か。俺が倒したのはおっさん一人だからあと5人か。」

「調子乗ってんじゃねーぞ!!唯竜牙!!高校生の俺らをおっさんババア扱いっておかしいだろ!!世間的には若いって・・・。」

ドブッ!!

高橋和也は、話ている最中に竜牙に腹を殴られ、悶絶し気絶した。

「このガキ。話ている途中に攻撃するか?普通~。やっぱ味方じゃねーな。悪者だ。」

「どっちがだ!!俺は小学生だぞ。若い俺の方がいいもんに決まってんじゃん!!」

「距離を取れ!!コイツ、エナジーパワーが規格外の強さだ!!だからエナジーマジックで遠距離攻撃しろ!!」

リーダー格である古谷信之が残っている男子生徒永山、吉峯と女子生徒加賀美の指示した。

「おうっ。エナジーマジックは加賀美が得意だよな!!やってくれ!!」

「わかったわ!!死ね!!唯竜牙!!この星の悪の元凶!!死ね死ね死ね!!!炎で燃え尽きなさい。『バデ・キャラート・アギャ』(特大の火球)!!」

加賀美は特大の火の玉を創り出し、竜牙に投げつけた。

ボー!!

「まずい。避けれない!!」

ドジュー!!

加賀美の特大の火の玉は竜牙に直撃した。

「竜牙~!!バカ!!あんた何やってんのよ!!ホント迷惑なやつ!!助けてなんて頼んでないでしょ!!」

「なんで俺がやられてんのに、悪口ばっかり言うんだ?愛。」

竜牙はぴんぴんしている。

全くの無傷。

「は?バカな。竜牙のエナジーパワーは格段に高いが、エナジーマジックはそれほどでもない。なのに、なぜ効かない?」

「じゃあ今度は俺の番だな。とっておきの技を喰らわしてやるぜ。」

竜牙のエナジーはさらに輝きを増した。

キィィィーン。

「あんた。やめなさい。それを使うんでしょ?殺しちゃうでしょ?人殺しになるわよ?イタタタ。」

「愛はゆっくり休んでろよ。お前もこいつらに殺されそうになったんだろ?だったら殺しても正当防衛になるんじゃね?」

「アンタねぇ。違うのよ。これは。イタタタ。」

竜牙はエナジーショットを撃つ構えをした。

両手を広げている。

高校生四人にまとめて放つつもりだ。

「くらえっ。『エナジーショッ・・・・』。」

竜牙がエナジーショットを放とうとした時、何者かが竜牙の腕を掴んだ。

「そこまでだ。唯竜牙。」

エナジー部隊総隊長の山本だった。

「おっちゃん。誰?あっ。ここの先生とか?」

「ああ。それを放つとお前がやられていた。」

「え~。嘘だ~。あいつら俺の技防げそうにないもん。」

「生徒じゃない。水谷と岡田にな。」

竜牙の後ろに大人の男と大人の女が立っていた。

「水谷先生。岡田先生。」

どうやらこの二人はここの先生のようだ。

「山本隊長。唯竜牙に触れて大丈夫ですか?私がそいつ、処理しましょうか?」

「大丈夫だ。少し頭は悪いようだが、鈴中からいつも報告を受けているから唯竜牙の性格は把握している。」

「おっちゃんたち。先生だったら、何で愛がこんなんになるまで黙ってた?あいつらだけ庇うって変じゃねーか。」

「事情を知らないお前がそう思うのも無理はない。」

「ホント竜牙はバカね。アンタは引っ込んでなさい!!」

「なんだよ。助けてやったのに。ボロボロにやられてたくせに。」

「アンタは一言多いの!!いくら私でも高校生全員相手に勝てるわけないでしょ!!これは入学戦闘だったの!!バカじゃない!!」

「はあ?」

校舎の上空に良太が現れた。

「はあはあ。やっと竜牙に追いついた。ん?もしかしてなんか問題が起きてる?」

「もうっ。良太ね。竜牙をここに案内したのは。」

「俺はウガンドロン(シールド高速移動術)の練習で町田からここまで(横須賀)飛行するだけだったんだけど、竜牙のやつ飛ばしまくって追いつけなくなっちゃって。」

「それで竜牙が先にここの基地に着いて、騒ぎを起こしたってわけね。ホントガキね。痛いっての。足の骨がボキボキなのよ。」

「入学戦闘~?何それ。普通に決闘とかやったらいいじゃん。運動場とかで。」

「ここの代々の伝統なの。飛級する者は、入学戦闘を受けるべしって。台本まであるのよ。何で私が先輩たちといきなり喧嘩するのよ。バカじゃないの?」

竜牙は入学戦闘の台本を愛から見せてもらった。

「何じゃこりゃ。」

あまりの品のない会話のやり取りで竜牙は驚いた。

「それにしても今回の台本はホントひどい。人権団体の方がみたら、抗議モンだぞ。」

「あっ。俺が書きました。」

「古谷か。何でこんな下品な内容にした?」

「俺もそう思ったんですけど、愛の力を確かめたくて。こういう罵り合いって、けっこう力を発揮できると思ったんです。でも、結果は良かったでしょ?」

「まあな。鈴中は力を思いっきり発揮していたな。」

「えへへへ。褒められちゃったわ。」

「じゃあ愛は、高校生のおっさんおばさんと仲悪いわけじゃないの?」

「この少ない生徒数で顔見知りじゃないわけないでしょ!!昔っからみんなのこと知ってるわ。いい先輩たちよ。仲良いに決まってるじゃない!!確かに台本の内容には私もびっくりしたけど、見事に演じたわ。」

「はいはい。愛、お喋りはそこまでよ。足。骨折してるでしょ?治療しなきゃね。」

女性の先生。

岡田先生。

どうやら高等部の担任のようだ。

メガネをかけていて、髪も長く、胸元が見えるシャツを着て、スカートも短い。

おそらく男子生徒の憧れの的だろう。

「おばちゃんが治せるの?エナジーの技使うの?」

「ちょっと山本総隊長。部外者の唯竜牙をこのまま校舎に居させていいんですか?」

「そいつには後で話がある。とりあえず、放っておいてくれるか。」

「もう。山本総隊長甘いんだから。さっき唯竜牙を殺しておけばよかったわ。それより愛ね。『イラージ』(自己治癒力強化)。」

岡田先生は、愛の骨折でボロボロになった両足に軽く手をそえた。

プワァ~。

温かい光が愛の両足を包む。

「どんどん痛みが引いていくわ。岡田先生ありがとうございます。」

「へえ~。すごいじゃん。治療系の技。愛はすぐ敵にやられちゃうから、治療系の技、覚えたら?魔法使いっぽくていいんじゃね?」

「は?竜牙。今、何て言った?治療系は女の役割?何だそれ。ジェンダーバイアスかよ。女だからって回復系や治療系、補助系だとか思ってるの?どんだけ頭の中はゲームの世界で一杯になってるのよ。治療系の技を使うということは、人体の構造を知らなきゃできるわけないのよ?体の中身、血、骨、神経、各種複雑な細胞や循環器官。エナジープランじゃない世界で言えば、医者にならなきゃならないってこと。お医者さんが女ばっかりだと思ってる?ホント馬鹿すぎるわね。」

「もう。愛。あんまり相手にしてたらダメよ。馬鹿になっちゃうわよ。」

「別にい~よ。俺、みんなより強いし、痛みとか感じないし。」

「竜牙。そういうことみんなの前で言うなよ。また、愛が怒るぞ。」

「良太もあんまり竜牙に関わらない方がいいわよ。馬鹿がうつるから。」

総隊長の山本が竜牙に近寄ってきた。

「唯竜牙。おまえ、このエナジー部隊に入隊しないか?おまえの強さなら通用する。」

「えっ。おっちゃん?」

「ちょっと総隊長!!いきなり正式に部隊にですか!?」

「ホンット竜牙ムカつく!!」

「総隊長!!正気ですか!!そんな化け物を。」

「我らの調査対象である唯竜牙を近くで観察できるいい機会だと思ってな。マクロの情報も手に入るし、一石二鳥だ。それにお前ら、唯竜牙の強さは学生の域を超えていると思わんか?」

「確かに。一対一なら私でも勝てるかどうかわかりません。」

「生徒の中なら、よっぽど技の術中にハマらさなければ、唯竜牙を倒すことができん。エナジーパワーが違いすぎる。」

「俺、太陽の光浴びるとなんかどんどんエナジーパワーが上がっていくんだよ。なんか知らないけど。」

「だったら、エナジー部隊に入隊し、日本で一番、いや世界で一番のエナジープランになれ。唯竜牙!!」

「え~。嫌だ。」

「なぜだ?エナジー教育も欠かさず行っていくし、おまえにとって悪い話じゃないはず。」

「だって、さことまこが地球のエナジー使えるやつらはしょぼいって言ってたもん。」

「アンタね~。知っててもそういうこという~?アンタも地球人でしょうが。」

「やっぱ俺って特別な気がする。だから学校行くの。やめとく。独自に技を磨く。ごめんな。おっちゃん。」

「そうか。残念だが仕方がない。じゃあ鈴中や他の生徒たちの勉強や演習があるので、唯竜牙はこのまま帰ってくれ。」

「え~。ついでだからどういう修行するのか見てみたかったのに。」

「総隊長の誘いを断るアンタが悪いのよ?さっさとお家に帰りなさい。」

「そういうわけだから、俺も勉強してから帰るよ。竜牙は町田に帰っといて。」

「みんな付き合い悪ぅ~。まあいいや。俺はミクロを倒しながら、戻るぜ。敵はどこだ~。」

そう言って、竜牙は空高く飛んでいった。

「何てスピードだ。」

「総隊長。竜牙ってホントおかしいのよ。さっきの飛行術だって、ウガンドロン(シールド高速移動術)を使っていないのよ。ホントわけわからないのよ。あいつって。」

「ウガンドロンを使わず、あのスピードを。一体どんな能力を秘めているのだ。」

「本物の竜牙は一切エナジー持ってないですし、謎ですね。竜牙は。」

「想像するだけで何でもできる能力なのかもな。それだったら強すぎる。」

竜牙のエナジー能力はじきに明らかになる。

竜牙自身、現実点の能力が最強無敵だということを知る由もなかった。

つづく。


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