先日、マンションの建設現場のおっちゃんが気になっていると僕は言った。
おっちゃんに対して恋心をいただいているけど、実際はおっちゃんは女好きに決まっている。
頭の中は女のことでいっぱい。
仕事が終わった後は、同僚とソープに行く。
それが現実だと思っていた。
でもいいんだ。
なんかおっちゃんを見ているだけで癒される。
おっちゃんと話さなくてもいい。
仲良くならなくてもいい。
妄想の中で僕の癒しにさえなってくれればと思っていた。
のに。
いつも通り、仕事にいく前にマンションの建設現場を通り過ぎた。
おっちゃんは休憩中かな?
っと辺りを見渡した。
すると、おっちゃんは僕のすぐ隣にいた。
いつもは20〜30m向こう側にいるのに、今は距離50cmくらい。
心臓が止まるかと思った。
何食わぬ顔で立ち去ろうとしたとき、
「兄ちゃん。今日も暑いな〜。いつもこの時間に兄ちゃん出掛けてるな。暑いのに、ご苦労さん。」
僕のこと、覚えてるみたい。
僕はびっくりし過ぎた。
普通に話せばいいのに、緊張し過ぎて顔が真っ赤になった。
「はい。」
しか言えなかった。
恥ずかしくなって足早に立ち去った。
ほんっと度胸なし。
向こうから話しかけて来てくれたんだから、愛想よくすればいいのに。
もうホント恥ずかしい。
明日からこの現場を通るのが恥ずかしくなってきた。
違う道通ろうかな。
無駄に気になっているおっちゃんから話しかけてくるという、奇跡が起こってしまった。

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