第五エナジー「エナジープラン」

The Energy World エナジーワールド
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竜牙は担任の山崎先生に駆け寄った。

「先生。まさかあんたも。田中先生と同様か。」

「唯くん。何を言っているかわからないが、以前の事件の影響だね。大丈夫だよ。私は君を襲ったりはしない。」

「そうじゃない。あんたがまよをどっかにやったんだろ?」

「まよ?マヨネーズかな?そっか家からマヨネーズを持ってきていたのかな。ダメだぞ。学校に余計なものを持ってきちゃ。」

「話になんねー。出ろ。俺のアバター。」

竜牙は自身のアバターを出現させた。

山崎先生の前に立ち、拳で殴ろうと構えをとった。

「?どうしたんだい。唯くん。何かしようとしてるのかな。先生は唯くんの味方だぞ。」

もしかして、先生が犯人じゃない?

だったら俺、すごく恥ずいじゃん。

そのとき、急激に膨大なエナジーをもったものが、竜牙の元に光の速さを遥かに超えるスピードで現れた。

ビュドーン!!

「なんだ?」

そこに現れたのは、明らかに怒り狂ったさこだった。

「おい。竜牙。まよはどうした?」

「俺が気づいたときにはランドセルの中から…。」

竜牙の喋りが途中にも関わらず、

ザン!!

さこが睨むだけで、竜牙のアバターの体は首が裂け、顔や胴体がバラバラに分解された。

「ちょっと。」

すると、さこはエナジー無効化するリボンを耳につけた。

シュン!!

さこのエナジーは消え、地球に拒絶されないようになり、教室や学校を認識できるようになった。

「俺が気づいたときには、まよはランドセルの中から消えてたんだよ。ちゃんとまよの面倒みてたんだって。ご飯やったりしてたし。」

「そうか。すまん。わかっていたが、ついもう一人のお前を殺してしまった。まあいいだろう。あんな弱いやつ居ても居なくても宇宙にとっては痛くも痒くもないもんな。」

「も~。アバターの俺、もう一回出せるのかな?」

「まよを探すぞ。竜牙。」

「外は雨降ってるし、外だったら嫌だな。」

竜牙とさこは教室を探すことにした。

教室には、担任の山崎先生や他の生徒もいるが、さこはみんなが認識できないほどのスピードで行動している。

竜牙はカーテンの中や引き出し、教室のまよが居そうなところを片っ端から探した。

「居ないな。さこは今の状態だとエナジー使えないんだろ?なんか他に能力とかないの?」

「エナジーが使えなければ、基礎体力しかないな。鼻でニオイをかくことしかできない。」

「それでわかるの?」

「わかるに決まっているだろ。まよの体からする甘いニオイ。りゅーのトカゲくさいニオイ。楽勝だ。あっ。この学校の外からニオイがするぞ。」

「外に?まよのやつ勝手に動きまわりやがって。それで俺がさこに怒られるハメになったってのによ。」

「なんか言ったか?」

「大丈夫。それより外行こーぜ!!」

竜牙は傘をさして、外に駆け出した。

さこが生身の竜牙がついてこれるスピードで移動している。

さこが走っている(?)方向について行っていると、見慣れた光景がみえてきた。

竜牙が筋トレしている公園。

昨日、まこたちが落ちてきた公園だ。

なんでこの公園にまよが?

公園に入ると、まよのふにゃけた声が聞こえてきた。

「これ、おいしい。もっと頂戴。」

「もちろんですよ。マクロ様。これもいかがですか?最近、発売された新商品『くまくまチョコちゃん』ですよ。」

「まよちゃんみたいにかわいい。おいしいー。もっともっと。」

「もしかして、おまえがまよをさらったのか。覚悟しろよ。」

「なんであんたなんかに覚悟されなきゃいけないのよ!!」

まよのそばには見慣れた二人がいた。

愛と良太だった。

「なんでお前らが!?」

「このまよって方とあんたと一緒に来られているうさぎの方も、『マクロ』様でしょ?エナジーでわかるわ。」

「マクロっちゃーマクロだが、おまえらみたいな低次元なやつらに説明しにくいな。」

「愛。良太。お前ら、エナジー使えるのか?俺だけかと思ってたのに。あと、田中先生と。」

「バッカじゃない?エナジープラン(エナジー使い)があんただけだとでも思ったの?てかあんたなんかエナジープランじゃないから。それに田中先生の件、ちょーウケるんですけど。」

「もしかして、お前らがやったのか?」

一ヶ月前の田中先生が竜牙を襲った日。

田中先生は理科室から飛び出し、竜牙を殺そうと包丁を手に取った。

そこに愛と良太がやってきた。

「先生。そんなことやめたら?あんな竜牙なんか殺したって、何にもならないわ。あいつバカだし。」

「鈴中さん。どきなさい。殺すわよ。」

「もうじゃあ先生、やってみなさいよ。」

田中先生は、愛に包丁を振りかざした。

愛を包丁で刺し殺そうとしたとき、愛の姿は消えた。

「消えた!?小娘!!どこに行った!!」

「先生の後ろです。」

「まさか、鈴中。おまえ『エナジープラン』か!?」

「先生。ご名答です。もちろん、良太もそうです。先生、知らなかったですか?私も良太もただの『エナジープラン』じゃないんです。」

「なに!?」

「防衛省直属機密エナジー部隊初等部鈴中愛と申します。良太も同じ部隊所属しています。」

「貴様ら、エナジーのエリート部隊だったのか!?だったらこっちもエナジー全開だ!!」

田中先生はエナジーを放出させた。

田中先生の体中にエナジーの膜ができ、シールドになった。

「田中先生。やっぱり大人のエナジープランですね。なかなかのエナジーパワーです。そんなパワーで殴られたら、私、死んじゃうかもしれないです。」

「よゆーブッこいてんな~!!このメスガキ!!」

田中先生はエナジーで纏った拳で愛に殴りかかってきた。

ガキッ!!

愛もシールドを展開し、手のひらで田中先生の拳を受け止めた。

「先生、危ないですよ~。普通の人だったら、死んじゃいますって。」

「だから、そのうすら笑いをやめろ!!メスブタガキ!!」

「キャッ。乱暴な言葉。もう、お仕置きしちゃいます。」

愛は、田中先生の拳をギュッと握った。

「反省しなさい!!『ヴュックジャガ』(電撃)!!」

愛はエナジーで電撃を発生させ、田中先生にくらわせた。

「ぎゃああああああああああああ~。」

「どう?先生。電撃って結構痛いでしょ?私、エナジーマジックの能力で電気が一番気に入っているの。だって、炎や水より強いと思わない?」

「愛。電撃はまずいって。さっさと先生気絶させちゃおうよ。」

「もう。良太は心配性ね。さすがの私でも大人のエナジープラン相手だったら打撃戦は少しきついわ。あんたがやって。」

「なめるな!!ガキども!!死ね!!」

田中先生はよそ見をしていた愛を狙い、愛の目を狙って手刀を繰り出した!!

「あっ。まずいわ。体勢を立て直さなかきゃっ。」

ズン!!

「グフ。」

良太が田中先生のお腹に一発ボディブローをきめ、先生を気絶させた。

「さあ、愛。誰か来ないうちに他の生徒の子たちと同様に避難しとこ。」

そして、愛と良太は他の生徒たちが避難している運動場に向かった。

「っていうわけだったの。お分かり?竜牙。」

「うん。いろいろツッコミたいところがあったけどわかった。」

「だからね竜牙。ほんと申し訳ないんだけど、あんたが私より優っているところなんてないの。」

「えっ。」

「だって、あんた思っていたでしょ?勉強、スポーツ、学校での地位、先生や周りの生徒からの信頼、そういうので私のこと妬んでいたでしょ?」

「はあ~。くだらねぇな~。」

「くだらないと思わざる得なかったの。あんたが自分だけエナジープランだと思っていたから。」

「たしかに思ってたよ。俺だけアバター使えるし、悪者いっぱい退治しているし、俺が正義のヒーローだと思っていた。それは事実だ。」

「6年生にもなって、正義のヒーローですって?ウケる~。バッカじゃない。実際、エナジーに関する犯罪や事件は我々エナジー部隊の管轄になっているの。私たちが関わっていない時点で、そんなの大した問題じゃなかったのよ。」

「じゃあ俺が退治していた化け物ども、ミクロはなんなんだよ?」

「この地球が生み出した浮遊のミクロ。見た目はグロいけど、害を及ぼしたりしない。あんたが勝手に化け物と思い込んで、襲っていただけでしょ?この人殺し。いやミクロ殺し。」

「おまえら、話長すぎ。」

「まよちゃん。眠たくなってきた。さこちゃん、まよちゃんおねんねしてていい?」

「おう。まよは寝てろ。さこがこのアホな地球人どもに後で説教しとくから安心しろ。」

「わかった。ぐー。」

そう言って、まよはつまんない話を聞きすぎて眠ってしまった。

「で。女。なんでお前はまよをここに連れてきた?返答次第じゃ、殺す。」

「違うんです。マクロ様!!」

「さこはさこだ。マクロとか弱っちい名前で呼ぶな。」

「さこ様、聞いてください。竜牙ったら、まよ様に給食の余り物をあげていたんです。私、それが許せなくて。竜牙が体育の授業中にコソッとランドセルからまよ様を連れ出したんです。急いで家に帰って、まよ様が気に入りそうなお菓子を何個かチョイスさせていただきました。『mogumori』のお菓子が美味しいです。」

「そのお菓子俺の父さんとこの会社のやつだから。」

「そんなこと知ってるわよ。あんたのお父さんには小さい頃、よく遊んでもらったわよ。お菓子もホントに美味しいわ。特に『くまちゃんチョコシリーズ』は最高よ。美味しくて可愛いし。小学生の低学年の子たちでも喜ぶわ。」

「それ完全にまよのことなめてるだろ?」

「なめてないわよ。まよ様かわいいもの。あんたなんかのそばにいさせたくない。」

「よくわかってるじゃないか。女。その通りだ。誉めて遣わす。竜牙ももっとまよを甘やかせ。」

「なんでだよ。俺も優しくしてるし。とりあえず、まよ見つかったし、家帰ろうぜ。俺、母さんのお菓子食べたい。」

「待ちなさい。竜牙。私たちがエナジープランと知って、ただで帰れると思っているの?」

「まだなんかあるのかよ。」

「ボコボコしてあげるわ。あんたのアバター。私のエナジーで。」

「あ?」

つづく。

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