僕はゲイなのにファッションに対して興味がない。
なんかめんどくさいし、動きやすい格好が一番好きだからである。
一番好きな格好は、トレーナー。
それを一枚着れば、春と秋は大丈夫。
冬でも大丈夫。
その上からダウンを着れば、寒さもしのげる。
めんどくさい格好とは、襟付きのもの。
シャツとかジャケットとか。
襟付きのシャツとかジャケットって、スーツのようなもので、男だったらなんかだいたいかっこいい感じになる。
僕はブサイクだけど、ジャケットを着ると、女性ウケが少しよくなる。
「鈴木さんっていっつも寝癖ボサボサでだらしないけど、スーツを着ればかっこいいですね。」
ってお世辞を言ってくれる貴重な女性陣が職場にはいる。
だから、僕がモテたいのであれば、そういった格好をすればいいのだ。
しかし・・・。
とある日。
僕は仕事の用事で、泊まりで出掛けなければならなかった。
いつものようにトレーナーで行こうと思っていた。
しかし、それに気づいた上司が釘を刺してきた。
「鈴木。今度はちゃんとした格好で来てくれ。」
僕は察した。
僕がトレーナーで行くことを予測されている!?
そ、そんなにいやですか?
僕のトレーナー姿。
気に入っているのですが。
ああ。
もうっ。
わかりましたよ。
無難な格好にすればいいんでしょ!!
無難な!!
家に帰って、衣装ケースをみてみると、ヨレヨレのジャケットとシャツたち。
アイロンをかければ、復活するんだけど、めんどくさいから久しぶりにショッピングに行くことにした。
世界的に大成功を収めた会社「ファーストリテイリング」。
ユニクロ様にお邪魔することにした。
「はあ。買い物疲れる。10分で勝負をつける。」
僕はそう覚悟した。
買うものを決めた。
僕は青色が好きなので、青色のジャケット。
なんか爽やか系の薄い青のシャツ。
この二つを買おうと決めた。
いざ、ジャケットが売っていそうな売り場に着いた。
あら、不思議。
ジャケットはたくさんあるが、茶色や薄い色のジャケットが多くて青色のジャケットなんかなかった。
流行りなのか?
でもね。
流行りなんかどうでもいいんだ。
20歳前後の若い男の店員さんに聞いた。(若い男好きの方が好きそうな。)
「すみません。青色のジャケットはありますか?」
「申し訳ございません。この売り場には青色のジャケットはございません。紺色でしたら、別のフロアにございますが、いかがされますか?」
「えっ。青が欲しいです。でも一応見せてください。」
僕はそう言って、若い店員さんの後についていった。
みせてもらったジャケットは紺色だったが、暗めの紺色だったので、青に近いというよりは黒だった。
普通の黒のジャケットじゃん。
と内心思ってしまった。
おそらく僕の表情は固かった。
若い男の店員さんもそれを察知したような感じだった。
これ以上の空気は気まずかったので、
「検討してみます。」
と僕は言い、店員さんと距離を取った。
はぁ。
僕の好きな青色のジャケットがない。
でも別のユニクロ行くのも面倒だし。
10分で買い物終わらせたいし。
なんか僕より一回り若い子に嫌な思いして欲しくないし。
今のご時世大変だし。
もう。
いいや。
こだわりを捨てる!!
面倒だったので、それを購入した。
ホント僕はめんどうな客。
買っときながら、満足していない。
でも、店員さんにいい風にみられたい。
別に性的対象というわけでもないのに。
わけがわからない。
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