僕は職場でもヘビを飼っている話ばかりしている。
「なんか僕のヘビ。最近、元気がなくて心配なんです。」
「暑さでバテてるんじゃないですか?」
「だったらいいんですけど。」
僕は同僚たちに言いまくっていた。
すると、上司から呼ばれた。
まずい。
仕事もせずにヘビの話を周りに言ってばっかりいたからだろうか?
「はい。鈴木です。」
「鈴木。最近、ヘビを飼ったらしいな。」
「はい。そうです。昔から好きだったので。(何が言いたいんだろ?)」
「金岡もヘビや爬虫類を飼っているんだ。お前より、ヘビのこと詳しいぞ。紹介しとくぞ。」
金岡さん。
面識はないけど、違う部署に働いている同世代の男性だ。
「はあ。ありがとうございます。」
要件はそれだけだった。
信じられない。
全然仕事と関係ないじゃん。
なんで?
でも、なぜだろう?
僕の胸の高まり。
頭がポーとする。
人の優しさに触れたからかな?
僕の上司。
年上だけで、性的対象ではなかった。
のに、ドキドキが止まらない。
もーやだー。
優しくしないで。
すぐに惚れちゃうんだから。
僕は。

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