今日のバイト。
いつも一緒にバイトしている大学生の女の子が休みだそうだ。
店長はよその店舗から、別の大学生の男の子を呼んでくれた。
年下の男の子に興味はないんだけど、たまに気になる子がいるからちょっと楽しみ。
体育関係の男の子たちは、仕事一生懸命やる子が多いんだよな。
自分より立場の上の人たちに、気に入られたいってのがあるみたいだけど。
よその店舗から来てくれたのは、バレー部の米田くん。
19歳。
関西の大学二年生。
身長186cmもあるんだって。
体重はわからない。
70〜80kg?
よく動く。
気遣いもできる。
コミュニケーション能力も高い。
どこでも就職できそうな子だ。
ルックスも悪くない。
女の子にモテるだろうな。
もちろんゲイにも。
仕事が一段落して、僕と米田くんは会話をした。
「え〜。米田くんとこ五人兄弟なん?兄弟多いのっていいな。」
「楽しいっすよ。うちんとこは二世帯住宅なんで、おじいちゃんとおばあちゃんも住んでるっす。」
「賑やかでいいな。米田くん一人暮らししたら、すごい寂しくなるんと思うで。」
「そうっすか?俺、めっちゃ家、出たいっすもん。一人暮らししたら、女の子家呼べるじゃないですか?」
「実家暮らしやったら、ホテル行かんとあかんもんな。」
「鈴木さんのことも聞きましたよ。ここの店長から。よく旅行に行かれるって。彼女と行くんですか?」
「え〜。彼女なんていないって。彼女いてたら、ここでバイトしてへんやん?」
「あっ。そっすね。別に仕事されてますもんね。じゃあ一人で旅行行かれるんですか?」
「えっ。うん。」
「えっ。マジっすか。寂しくないっすか?」
「寂しい?んー。寂しくない。なんで寂しくないんかな〜?誰かいると気を遣いすぎるからかな?」
「そうなんですか?」
「そうそう。僕はすごい神経質やねん。誰かいると、相手のことばっかり考えてしまう。どうやったら相手が喜んでくれるかどうか。何をしたら楽しいかとか。だから、ご飯も基本的に一人で食べる方がいいな。誰かいたら、食べてるものを楽しめなくなるから。」
「鈴木さん。噂には聞いていましたけど、変わってますね。」
「そうみたい。」
たまにこういう大学生と話すからいい。
自分について考えることができるから。
そうだよな。
普通は一人でいることって寂しいはずだよな。
でも、僕って本当に面倒な人間なんだもん。
面倒だからこそ、他人様に極力面倒をかけたくない。
面倒なところを見せたくないんだ。
今後の人生、僕の面倒なところを見せれる人が現れなきゃいいけど。

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