「鈴木くん。もうすぐ休憩入る?」
「そうですね。仕事もひと段落ついたんで、ご飯でも食べてこようと思います。」
「じゃあ私も付き合うわ。近くでお寿司屋さんが新しくできたの。そこに行きましょう。」
(わあー。一人でご飯食べたかったのに。普段お世話になっている北田さん(先輩の女性。アラフィス)だから、仕方がない。)
僕と北田さんは、できたばかりの回らないお寿司屋さんに行った。
「僕、お寿司好きです。特に赤身のマグロが大好きです。」
「ねえねえ。鈴木くん。あなたゲイの友達いる?」
「ゲイかもしれないって人はいますけど、ゲイって自分から言っている知り合いはいないです。」
「ちょっとNHKで観たんだけど、ゲイの世界っていろんな暗黙のルールがあるらしいのよ。」
「どんなルールですか?」
「まずはね、ゲイバーに行くときは本名を名乗らない。本名以外の名で呼び合うらしいわ。」
「へー。そうなんですね。僕だったら何しようかな?かっこいい名前にします。」
「あと、誰とでも体の関係を持つらしいわ。一晩一緒にベッドで過ごしても、あいさつのようなものらしいの。」
「えっ。マジっすか。僕、ちょっと体が緩い女の子はムリっす。」
「体の関係を持っても、嫉妬はしてはいけないらしいの。すごい世界だと思わない。鈴木くん。ゲイの世界って。」
「えっ。体の相性が良くて好きになっちゃったら困りますよね。そりゃ嫉妬しちゃうんじゃないですか?僕、ムリっす。」
なんで北田さんはこんな話を僕にしたかわからないけど、ゲイについて勉強になった。
本名を名乗らないってのは僕、当てはまるな。
鈴木良太って超偽名だし。
ゲイの世界って闇が深い。(?)

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