第三十一エナジー「清水寺で愛と戦う」

良太が連絡した京都府警エナジー課の刑事が駆けつけ、エナジープランの犯罪者を無事確保し、連行して行った。

「これでわかったろ?竜牙。アバターのお前は強いからほっといてもいいけど、生身のお前の方が実は狙われているんだから気をつけた方がいいぞ。」

「とりあえず、一人になるのはやめなさい。ただでさえ子どもっていうかガキ以下なんだから。」

愛と良太に説教を受ける竜牙。

「へ~い。なんか地球ってめんどくせーな。エナジー使えないやつはエナジー見えないし。俺がアバターだったら、良かったな~。」

「あんたのアバターが実体だったらやばいっての。殺しても死なないんでしょ?馬鹿じゃない?」

愛と良太に連れられて、クラスの集合場所に戻っていった竜牙。

竜牙のお母さんに清水寺をあんなに推されていたのに、満喫できなかった竜牙。

「いやいや俺、別に清水寺なんて興味ねーから。」

明日の京都観光の午前中は自由時間。

好きなグループと京都市内を観光できる。

夜、竜牙と竜牙のクラスメイト3人が泊まっている部屋に良太が来た。

「なんだよ。良太。こんな時間になんかあった?」

「ごめん。竜牙。スマホで用件言おうかと思ったけど、直接言った方がいいかと思って。」

「大事なことなんだな。なに?」

「明日の自由時間。俺と一緒に清水寺観光してくんない?」

「わっ。デートだ。俺、男好きじゃねーから。」

「竜牙もそんな冗談言えるようになったんだな。惑星ダイナソーであったこと話そうと思って。全然その話してなかっただろ?」

「あっ。そうだった。わかった。なんで清水寺でかわかんねーけどわかった。」

「じゃあバス停で集合な。9時半に待ってるから。」

「あっ。みんなごめん。明日の自由時間、俺、良太と清水寺行くことになったから。」

「あっ。今、中西くん来てたんだ。えっ。二人で?男同士で。」

「俺と良太ってただの幼馴染だから。」

「いやいや中西くんってけっこう女子からモテてるのに、付き合った噂ないな。」

「案外、そっちの趣味かもよ。」

「だったら丁重にお断りするよ。」

と言いつつ、あまりにもみんなに言われたので少し心配になった竜牙。

朝が来て、竜牙は時間通り、待ち合わせのバス停に向かった。

「良太もきっちりしているから時間通り来てるはずだよな。あっ。」

「あっ。あれ?良太は?なんで竜牙がここにいるのよ?」

良太ではなく、愛がいた。

間違いなく良太にはめられた。

「ちょっと、良太って余計なことしてくれちゃって。全く。」

「なんで愛なんだよ~。良太は?」

「たぶん来ないわ。良太ってそういうやつよ。」

「え~。じゃあ俺、どうしようかな~。」

「もうっ。あんた昨日、あんなことあったら清水寺観光してないでしょ?私が案内してあげるわ。ついてらっしゃい。ガキが。」

「愛って一言多いんだよな~。」

「あんたもね。」

竜牙と愛がバスに乗り込んだ。

その姿を上空から良太は見ていた。

ウガンドロン(シールド高速移動術)を使い、空を飛んでいる良太。

「ふぅ~。うまくいった。愛のやつ、竜牙のこと好きなくせに絶対にデートとか誘わないから手間がかかるぜ。小学校も今年で最後だし、来年竜牙とは学校別々になるし、ちゃんと恋の決着つけなきゃな。って俺、すごいお節介焼き。」

竜牙と愛はバスで隣同士で座ってはいるが、会話はなし。

両者ともムスッとしている。

バスから降りて、愛の清水寺への案内が始まった。

「ちょっと竜牙。こっちよ。こっちよ。」

「なんか歩くのめんど。よく考えたら、俺、神社とか寺とか全く興味ねー。」

「そんなこと知ってるわよ。あんた勉強も全般的にできないものね。いや、違うわ。できないっていうか、知ろうともしていない。知る気もない。やる気もない。うふふ。」

「うふふじゃねえ!!だって、勉強面白くないんもん。エナジーの修行の方が面白いぜ。」

「あんた自身じゃエナジー出せないくせに、よく言うわ。学校の勉強とエナジーの修行は密接に関係しているのよ?例えば、私がエナジー部隊の高等部で修行している『医術エナジー』あんたにできると思う?できるわけねーのよ。おーほほほ。」

「なんだよ。それ!!俺、そんなん使えなくても勝手に傷が治る体だし。」

「あんたの体じゃないでしょ!!あんたのアバターの話ね。あんたの意思で動かしているのはわかるけど、あんたじゃない何者かの大きな力のせいでこうなっているのよ?そんなこともわからないの?」

「なんだと!!この!!」

愛は大きなため息をついた。

「はあ~。やめましょう。こんな日くらいエナジーの話やめない?」

「えっ。じゃあ何の話があんだよ?」

「竜牙。あんたもうちょっと大人になりなさい。来年から中学生でしょ?そんなんで大丈夫?」

「大丈夫に決まってるだろ!!大きなお世話だ!!」

「中学に行ったら、私や良太もいないのよ?」

「知ってるよ。なんか頭のいい中学に行くんだろ?勝手に行けよ。」

「なんであんたはいつもそうなの?なんで喧嘩腰なのよ?あんたの気持ちは私、わかっているつもりよ?いい加減素直になりなさい。このままじゃ人生損するわ。自分の気持ちに正直になりなさい。」

「ん?俺は自分の気持ちには正直だと思うけど。愛が何を言いたいのかよくわからん。」

「はあ。女の私から言わせる?普通。あんた周りを見てご覧なさい。」

「清水寺だな。だから?」

「清水寺の一番、有名なこの場所よ。私と竜牙が二人っきり。もうわかるでしょ?」

「エナジー修行でもすんの?別にいいぜ。いつでも。俺のアバターは疲れを知らない。」

「ホント信じられない。普段、私があんたのこと嫌いみたいな態度をとっていたかもしれない。それはウソなのよ。その逆だったの。察しなさい。」

「ああ。そういうことか。俺も愛のこと嫌いじゃないぜ。よく考えたら、同級生でまともに話せる女子は愛しかいなかった。愛のことは俺も好きだぜ。」

「キュン。竜牙…。そうよ。あんたなんか他の女子がまるで相手にしないわ。デリカシーないし、ガキだし、私、私しかあんたを構ってあげられないのよ。オホホホ。」

「良太も愛も好きだぜ。やっぱ俺もお前らもエナジープラン(エナジー使い)だからかな?今更そんなこと言ってどうすんの?愛。」

「…。好きってそういうこと。」

ゴゴゴゴ。

ズズズズ。

愛のエナジーがどんどん上がっていく。

「その好きじゃないってことは、愛。もしかしてあっちの好き?マジ?」

「竜牙。それ以上先を喋るんじゃないわよ。殺すわ。絶対殺す!!ぶっ殺死!!!」

愛は膨大なエナジーを放出させた。

「とっととアバターを出しやがれ。お前の自信。根底からボロボロにしてやんよ。」

愛はウガンドロンで上空に飛び、指をクイクイさせ、竜牙を挑発している。

「お望みとあれば。」

ズン。

竜牙はアバターを出現させ、愛に向かっていった。

ビュッ。

竜牙はエナジーを込めた右ストレートで愛を殴りにかかった。

ガキン!!

ブシュッ!!

愛は竜牙の右拳を右手で掴み、そのまま握り潰した。

「おまえ、パワーが桁違いになってるな。」

「あんた。昨日の私をみてなかった?エナジーを使わない生身で刃物以上の強度を誇る右腕になったのよ?それにエナジーを込めたらどうなる?あんたなんかグチャグチャのネチャネチャにできるに決まってるでしょーが!!」

ドン!!

愛は竜牙に蹴りを放って竜牙をぶっ飛ばした。

「グッ。わかったよ。死んでも後悔するなよ?」

「は?あんた何様?生死を司る死神にでもなったつもり?」

「ラビ!!」

竜牙のアバターは太陽の光を吸収し、自身のエナジーに変換させた。

ズズズ。

愛に潰された右拳も瞬時に再生させた竜牙。

にゅにゅ。

「そうこなくっちゃ!!その状態のあんたをぶちのめしたかったのよ!!」

竜牙はさっきと同じように右ストレートを愛にかました。

ガキン!!

愛は右腕でガードをした。

さすがにエナジーパワーが上がった竜牙の拳は破壊できないと判断した愛。

バキバキ!!

ドンドン!!

両者の拳と蹴りの打撃の応戦!!

竜牙は一発一発の拳の重みは、以前の愛を即死させるほどの力を込めている。

その攻撃を平然と受けれる肉体的強度とエナジーパワーを持つ愛。

「キャハ。今の私を簡単にやれると思った?この強化された右腕であんたをやる。」

ギュン!!

竜牙はさらに上空に飛んだ。

「クス。私に肉弾戦で勝てないからって逃げる気?」

「そうじゃない。くらえ。」

竜牙は両手にエナジーを込め始めた。

キイイイイイー!!!

「本気ね。竜牙。」

上空から大きなエナジーを集めた竜牙。

「後悔するなよ。エナジーショット!!」

ドン!!

真下にいる愛目掛けてエナジーショットを放った竜牙。

「『ポール・ゲング』。膨張なさい!!さあ!!」

愛はエナジーで創り出したボールを、竜牙のエナジーショットのエナジー弾並みの大きさに膨張させた。

グン!!

ボーン!!

愛はポール・ゲングと竜牙のエナジーショットを衝突させた。

竜牙のエナジーショットに込められたエナジーパワーと、愛のポール・ゲングに込められたエナジーパワーはほぼ同等。

同等の質量だったため、エナジーショットとポール・ゲングは衝突し、相殺された。

「クス。今の私は、この程度じゃ殺れないわよ?」

「『アギャ』。」

竜牙はもう次の攻撃を放っていた。

火球だ。

竜牙は火の性質のエナジーマジックを得意とする。

巨大な火球を愛に放った。

ボオオオオ。

「連続攻撃か。ホントに殺す気なのかしら。こわいこわい。キャハ。その連続攻撃が、エナジーショットだったら、危なかったわ。だって私、エナジーパワー得意じゃないもの。こっちは別よ!!『ヴュックジャガ』!!」

ボリボリドーン!!

愛は電撃のエナジーマジックが得意。

アルデランスの謎の治療によって、格段に肉体的にもエナジー的にもパワーアップした愛。

以前のヴュックジャガとは比べ物にならなかった。

その威力は雷に類似した。

ボシュッ。

竜牙のアギャで創られた火球は愛のヴュックジャガが貫かれ、そのまま電撃が竜牙にまで伝わった。

バリバリバリバリ!!!

「痛みは感じねーが、振動がすげーな。」

今度は、竜牙の上空から大岩が降ってきた。

「は?なんで岩?まあいいや。俺の拳で砕い…。えっ。やば。」

空から降ってきた大岩をすかさずかわした竜牙。

ブオ。

「あの岩。なんてエナジーパワーを纏っていやがる!!俺の拳の方が砕けるレベルだ。愛のやつ。なんて能力を。あいつは『シリンティー』(物質創造)が苦手なタイプだと思っていたけど。おい!!愛!!やるじゃねーか!!」

竜牙が愛を大声でほめると。

「何よ。この岩。わっ。危ないわ!!空にたくさんある。一体竜牙!!どうゆうことよ!!」

愛も大岩に襲われていた。

「なんで自分の技を喰らってんだ?愛のやつ。馬鹿だな。」

「ヤマタノオロチ。ニセンネンブリダ。コナゴナニセンメツスル。」

つづく。


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